個人再生の結果
高齢者層には公社債投信を、株式投信はリスクのとれる若い層を対象に販売すべきであろう。
投信の資産が増加すれば、株式市場にも大きなインパクトを与えよう。
これに期待する市場関係者も多い。
窓販が開始されれば、欧米系や銀行系の投信は急成長するだろう。
既存の投信会社は厳しい競争にさらされる。
まさに「前門の欧米系、後門の銀行系」だ。
投信の銀行窓販、銀行系証券会社の株式取扱いが“時間の問題”として待ち構えている。
ある都銀の幹部は「わが国の銀行が長年の夢として考えている“ユニバーサルバンキング”はこの株式や投信の取扱いができて始めてスタートする」と言っている。
欧米では、銀行業務に参入する保険会社と保険業務に参入する銀行あるいは住宅金融会社との聞の競争が厳しさを増している。
欧米の大手銀行はたいてい、傘下に保険会社をもっている。
その逆も多い「相互売り込み」は必ずしも好評とは言えないようだが、銀行が専用の窓口をもって顧客に保険を売っているのはよく見かける。
わが国でも大失敗だったが「変額保険」の「協力作業」の例もある。
保険会社の金融進出では、アメリカでは大手保険が銀行、証券、投信、投資顧問などを買収してきたが、欧州ではNGの例が最も強烈だ。
NGは1991年にできたオランダの生命保険の最大手、ナショナーレ・ネーデルランデン保険とNMBポストバンクを母体とする保険・銀行・証券を包含する金融コングロマリットだ。
破綻したイギリスの名門マーチャントバンク、ベアリングズを買収したことでも分かるように、非常に積極的な経営で知られる。
アジアや中東欧への進出も熱心だ。
世界55ヶ国に拠点をもち「ライフコンサルタント」を掲げて幅広く営業している。
NGの進取の精神は、16世紀のオランダ商人の7つの海を越えて、交易で稼ぎまくったオランダ魂を思い起こさせる。
イギリスでは600万人の契約者をもつ最大手のプルデンシャル生命保険が、銀行ライセンスを得て、銀行子会社プルデンシャルバンキングを設立、電話と郵便を活用した預金、受託金融サービスなどをまずはじめる。
狙いは満期に払う保険金が他の金融機関に流れないようにするためだ。
他の金融機関より有利な預金金利を提供するという。
他の大手生保、リーガル・ジェネラル保険も銀行部門の強化をはかる計画だ。
スコットランドの保険会社「スコティッシュ・ウィドゥーズ、」も95年に子会社を通じて銀行業務を始めている。
1996年の決算は両行とも好調だ。
欧州では、銀行と保険の合併や業務の緊密化が進んで「バンクシュアランス」という金融と保険の一体化「アルファイナンツ」が当り前のようになっている。
スイスでは、もともと銀行と保険の関係は強い。
スイス銀行はチユーリッヒ保険と、ユニオン銀行はスイスライフ保険と、またクレディ・スイスはスイス再保険、ウインターツール保険とそれぞれ親しい関係にあるが、97年夏には、クレディ・スイスはウインターツールと合併してしまった。
日本では96年10月1日より、生命保険と損害保険が子会社を通して相互の業務に参入を開始した。
大手の生損保はすでに投資顧問会社をもち、巨大な資産の運用を行っている。
4年前には日本生命がニツセイ投信を設立し、投信業務に参入し業績を急速に伸ばしている。
残存元本もすでに3600億円と好調である。
保険会社の投信販売はまだできないが、直販では日生の巨太なネットワークを使って着々と実績をあげている。
保険の販売では相続問題がつきもので、保険のセールスは社内教育でかなりの税務知識をもっている、「ファイナンシャルプランナー」の制度を設け、幹部候補生には資格を取らせている。
保険の販売を通じて顧客の財務や税務相談に応じるなど、信頼されているセールスマンは数多くいる。
日生ではファイナンシャルプランナーに中小企業を重点的に開拓させている。
プライベートバンキングには、いつでも参入できる態勢を整えつつある。
大手保険会社が次に計画しているのは銀行子会社、信託子会社、証券子会社の設立による銀行、信託証券業務の参入と投信の窓販であろう。
2000年には保険を中軸にした大金融会社グループが出現する。
生保の強力な販売力を使えば、日生投信はまたたく聞に大手投信になるだろうし、巨大な資産をパックに証券子会社も短時間に成長しよう。
また、これを扱うセールスマンも大きな力をつけることになろう。
これらを実現するために、人材の確保にも力を入れている。
証券取引法改正で「資産管理・運用サービス業」が導入されれば、生損保の「フアイナンシャルプランナー」はアメリカと同じように、投信会社や顧問会社と組んで一斉に「ラップ・アカウント」をはじめ「ミニ・プライベートバンキング」の世界に参入することになろう。
ノンバンク業界も富裕層を狙った戦略を着々と進めている。
CPや社債の発行で規制緩和の波にのり、将来の展望が見えて来た。
ビッグバンを契機に、一気に個人の金融資産を吸収し、総合金融業に成長しようとする考えだ。
自分達の発行する社債やCPを関連証券会社などを活用して販売することもできる。
ノンバンクの販売力の強さはつとに有名なところである。
ノンバンクのカード債権、ローン債権やリース債権の証券化も証券界や金融界のノウハウと販売力を利用して、最近は着々と実績を積んでいる。
大手商社や商品先物会社が得意とする「商品ファンド」の最低販売単位は1997年の10月から1000万円から500万円に引き下げられた。
外貨預金や外債は為替のリスクがつきまとうが、商品ファンドは金現先を安定運用の柱に据えたうえで石油など商品先物で運用する。
「リスクを抑えつつ高利回りを狙う」といううたい文句で、商社やリース会社、商品取引会社などが手がけているが、運用成果はまちまちだ。
最近は販売面で銀行も積極的に参入しているので、顧客の裾野が拡がっていくと期待している。
商品ファンドの運用規制の緩和もすすんでいる。
機関投資家が対象であったが最近は明らかに富裕層の個人を狙っている。
富裕層や機関投資家の投資対象の品揃えが進んできたということであろう。
ノンバンク業界は銀行、証券界と同様にパプルの後遺症で苦労しているところもあるが、全体としては着々と力をつけて来ている。
1996年の夏、チエース・マンハツタン信託銀行とケミカル信託銀行が親銀行の合併に伴い、日本でも合併することになった。
チエースとしてはケミカル信託を存続会社として残し、チエース信託(現ドイチェ・モルガン・グレンフェル信託銀行)を売却することになった時、ドイツ銀行と最後まで買収を争ったのは、日本のあるノンバンクであった。
規制緩和により、大手証券会社が信託と銀行業務に進出し、銀行が証券と信託に進出して「ユニバーサルバンキング」。
あるいは「総合金融グループ」の体制を築きつつある。
大手保険においても同様である。
商社やノンバンクが、銀行、保険、証券業務に進出しても少しもおかしくない時代になった。
アメリカには大企業の傘下で通常の銀行よりも大きな利益を挙げているノンバンクは数多くある。
大企業の子会社の証券会社も多い。
大商社の丸紅は、金融業に進出することを決めた。
97年10月には、フィリピンに合弁でS&L(貯蓄貸付組合)を設立。
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